イチジク農家がスイーツも提案

齊藤拓朗ご夫妻

齊藤 拓朗ご夫妻

夏の終わりから秋にかけて、直売所などでよく見かけるようになったイチジクの果実。館山市で早くからイチジク栽培に取り組んだのは館山パイオニアファームの齊藤さん。イチジクへの熱い思いをもった人です。

館山出身の拓朗さんは大学卒業後、大手ホームセンターに就職。長野県を中心に販売員として、また店長として活躍します。地元に戻ろうとUターンした際に手伝ったビワ農家で農業の魅力にとりつかれ、いつかは自分も農業で生計を立てたいと思うようになったといいます。どの作物を主力で作るべきか、いろいろと考えていた際に目を付けたのがイチジクでした。

栽培しやすく気候も合っていることや加工のバリエーションが多いことに加え、植えてから1~2年目で収穫できることも決断を後押ししたといいます。さらに収穫期である8月中旬~11月上旬は、南房総地域は観光のオフシーズン。地域の特産品になると同時に秋の観光の目玉になりうる可能性を秘めていました。好条件が揃っているとはいえ、まだこの地域ではほとんど生産されていなかった作物だけに挑戦的な判断でした。

まずは8種類ほどを試験栽培し、結果がよかった4品種に絞り本格的な栽培を開始。市長に直談判に行ったことも功を奏し、行政を巻き込んでのイチジク普及の動きへと発展します。2011年には館山市いちじく組合を設立。観光農園としてのイチジク狩りもスタートしました。現在、農園の傍らには奥さんの仁美さんが切り盛りするカフェもオープンし、イチジクを使ったスイーツを提供しています。「メニューは地域連携を優先して考えました」というように、提携先は地元の人なら誰もが知る名前ばかり。パンやコーヒー、紅茶も地元から仕入れています。

「アダムとイブの話に出てくるのがイチジクの葉っぱ。日本ではまだまだマイナーですが、地中海沿岸ではどこでも見られる一般的なフルーツです」と齊藤さん。イチジクの魅力をもっと多くの人に知ってもらいたい、南房総全体をイチジクで活性化したいとの思いから、苗木販売や苗づくり体験なども開催するようになりました。「イチジクには身体にいいとされるさまざまな成分も含まれています。館山市のご当地スイーツとして開発されたいちじく寒天などを通して、その魅力を多くの人に伝えていきたいです」。

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