暮らしにとけ込む自然体の農業

大山宏子さん

大山 宏子さん

南房総市海老敷地区。旧三芳村の田園地帯に大山さんの自宅はあります。築70年という古民家は、築後大きな改修が加えられた形跡もなく、昔ながらのたたずまいを残しています。「土に触れているだけで楽しい」という大山さんは自給自足的な生活を目指して2013年に南房総三芳地区に移住。百姓レストラン「じろえむ」で農業研修を受けながら自身で田畑を耕し、農家としての暮らしをスタートしました。

翌年には理想的な古民家を借りることができ、昔ながらの生活を実践。ある意味、早々に夢が実現した形になります。「農業はあくまでも暮らしの中の一部。1人でできる範囲だけでやっていきたい」というように、農業で生計を立てたいとする農家とは少し立ち位置が違います。現在は3反の畑と1反2畝の田んぼを耕作。「じろえむ」から分けてもらった鶏糞のみを使って60品目ほどを栽培しています。「ていねいに作った野菜を縁がある人に配りたい。大切な人に野菜のおいしさを伝えられれば」という言葉からも、人とのつながりを大切にする気持ちが伝わってきます。そんなライフスタイルだけに、野菜以外の加工品にも積極的。「味噌と醬油、梅干し、梅酒は毎年欠かさず作っています。あとは夏ミカンジュースとか漬け物とか。たくさん採れたものを保存のために加工することも多いです」。

最近似てきたねと友人に指摘されるようになった師匠の「じろえむ」と、愛称の「びろ」を掛け合わせて名付けた古民家「びろえむ」邸。定期的にライブイベントやワークショップが開催され、田舎暮らしを体験したい人の宿泊を受け入れるなど、多くの人が集まる場所になりました。「今の状況は望んで積極的に動いた結果ではなく自然の流れ。これからも自然体でいることでいろんな輪が大きくなっていけば幸せです」。こうした気負いのない人柄も、多くの人を引き付ける魅力なのでしょう。

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